自己嫌悪を「克服しなければ…」と思っていませんか?
実は「どうにかしなきゃ」と思っているから、抜け出せないんです。
自己嫌悪に悩んでいるあなたなら、
- 「ありのままの自分を受け入れましょう」
- 「自分をほめてあげましょう」
- 「自分を認めてあげましょう」
こうした対処法を少なからず聞いたことがあるはず。
でも、いきなりこれは難しいんです。
この記事では、そんな悩みのある方へ
モヤモヤのループから抜け出す方法
どんな自分も受け入れられるようになる方法
気持ちの切り替えが早くなる方法
を3ステップでお伝えします。
この方法ができるようになると、長年くり返してきた、自分の思考パターンを変えていけるようになりますよ。
監修|心理カウンセラー・産業カウンセラー 杉本まき
ステップ1:自分の感情に気づく
この最初のステップが一番重要です。
自分の感情に気づくとは、
”今、自分が自己嫌悪を感じていることに気づく”ということです。
「え?それは自己嫌悪してる状態とどう違うの?」と思うかもしれません。
これが似ているようで、全く違うんです。
自己嫌悪に陥っている時は、
「あ~、なんで〇〇しちゃったんだろう…」
「どうして私はうまくできないんだろう…」と、
まさに自己嫌悪の渦の中にいる状態。
ずっとそのことを考えつづけていると、さらに深く自己嫌悪に陥ってしまいます。
そんな時にあなたがすることは、
今、自分が何を考えているのか、どんな感情なのかを観察すること。
「あ~、私は今、自己嫌悪しているんだな」
「あ~、私は今、〇〇さんに言われたことに傷ついているんだな」
「あ~、私は今、〇〇がうまくできなくて自分が嫌になってるんだな」
こうして、今自分が自己嫌悪に陥っていると気づくことは、一歩その渦の外に出られるのです。
心理学用語で『メタ認知』といわれていますが、自分自身の状態、感情を観察することで、冷静に自分のことを見られるようになります。
自己嫌悪は、自分の基準で自分を判断する(思い込みなども含む)、めちゃくちゃ主観的な感情ですが、その感情に気づくことで、客観的になれるんです。
まずは気づくだけでも充分です。
自己嫌悪やネガティブな感情になるたびに、自分の気持ちを観察してみてください。
客観的な視点が、気持ちを切り替える”きっかけ”になります。
認知療法でもよく使うやり方ですね。考えや感情をノートなどに書き出して外在化させるとより客観視できるようになりますよ。
モヤモヤが止まらない人は
>>【基本編】苦しい自己嫌悪に対処する第一歩:ノートにストレスを書き出す心理療法
ステップ2:自分の感情を受け止める
もしかしたら、あなたは「自己嫌悪すること自体、ダメだ」と思っていませんか?
だから「自己嫌悪を克服しなければいけない」と思っていませんか?
いいんです。自己嫌悪しても。
喜怒哀楽というように、人はいろんな感情を感じるものです。
人間だもの。
ステップ1で「あ~、私は今、自己嫌悪しているんだなあ」と気づいたら、
「そっか、自己嫌悪してるんだね」
「そっか、〇〇がショックだったんだね」
「そっか、〇〇できなくて悔しかったんだね」
「そっか、そっか、大変だったんだね」
自分の気持ちを聞いて受け止めてあげてください。
友達や子供の話を聞いてあげるように。
同じことを何度も感じていたら、
「そっか、私はそれだけそれが嫌だったんだね」
そのたびに聞いてあげてください。
涙が出てきたら、そのまま泣かせてあげてください。
自分が思っている以上に自分が傷ついていたり、
自分が悲しんでいることに気づくかもしれません。
するとあなたの気持ちはおさまります。
話を聞いてもらえたから。
一番わかってほしいあなた自身に、
ちゃんと話を聞いてもらえたから。
晴れの日があれば、雨の日があるように、
「そっか、今の私は自己嫌悪してるんだね」と気楽に受け止めてください。
気をつけること
「なんでまた自己嫌悪してるの」とか、
「自己嫌悪してる自分はダメだ」とか、
自分を責めないでください。
また、自己嫌悪する感情を嫌ったり、避けて見ないようにすると余計に苦しくなります。
どんな感情も感じていいんです。
慣れてくると
こうして自分の気持ちを受け入れるようになると、
「まあ、いっか」
「そんなこともあるよね」
「ま、そんな〇〇な自分もいっか」
だんだん自分を許せるようになります。
そのうち「私も相変わらず〇〇だなあ~」とか、
「うわ~、恥ずかしい~!でもこれが私なんだな」とか、
笑えるようになったらもう大丈夫。
カッコ悪いところも、
ちょっと変なところも、
〇〇なところも、
実はあなたのチャームポイントなのです。
ミスのない機械とは違い、そういう人間らしさもあるから、あなたには魅力があるんです。
だんだんそんな自分も受け入れて、許せるようになってきたら、
「どんな自分でもいいんだ」と思えるようになります。
これが自己受容です。
自己受容できるようになると、自分を肯定できるようになってきます。
それに自分と同じように他人も許せるようになり、生きやすくなります。
もし、すぐに自己受容できなくても大丈夫。
「今までよくやってきたよね」
「〇年よく生きてきたよね」
こう自分をいたわってみてください。
本当のことですから。
このステップ1→2はシンプルですが、
自己嫌悪だけでなく、不安、恐れ、怒り、悲しみなど、自分が居心地悪く苦しい、モヤモヤするような時にやってみてください。
何度もくり返し、どんな自分も許すことに慣れてくると、
自分の感情に気づいたら、「そっか~」「でもまあ、いっか」と切り替えが早くなります。
一言で気持ちを切り替え
>>自己嫌悪や自己否定、不安から抜け出せる魔法の言葉
繰り返すこと、これがとても大切です!私たちの脳は繰り返しやることは大事なことなんだと認識して優先順位を上げてくれます。目安は三週間です。
ステップ3:五感を使って気分がいいことをする
ステップ1で自分の感情に気づいて、
「あ~、私は今、〇〇〇しているんだな」
ステップ2で自分の感情を受け入れ、
「そっか、〇〇だったんだね」
気持ちが落ち着いたら、
五感を使って、あなたが好きなこと、気分がよくなることをしましょう。
自己嫌悪など悩んでいる時は、頭の中で悶々と考えている状態です。
体を動かしたり、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の”五感”を使うことで、脳へ瞬時に刺激が送られ、気持ちの切り替えが早くなります。
- 視覚:外に出る、散歩をする、好きな映画を見る…
- 聴覚:好きな音楽を聴く、鳥の声や波の音を聴く…
- 嗅覚:アロマをたく、いい香りのハンドクリームをつける…
- 味覚:美味しいものを食べる、好きなコーヒーを飲む…
- 触覚:シャワーを浴びる、マッサージをする…
これは一例ですが、他にも軽いストレッチや全身運動は効果的です。
あなたが好きなことは何ですか?
「おいしい~」
「いい香り~」
「気持ちいい~」
あなたの気分がよくなることなら、何でもいいです。
ステップ1~3で気分もよくなったら、あなたが悩んでいたことも、冷静に、ポジティブに、判断や行動がしやすくなるでしょう。
自己嫌悪の渦中でなんとか解決しようとするより、気分がよくなった状態で考えた方がいいことは、誰の目にも明らかですよね。
例え行動できなくても、いい解決策が思いつかなくても、
あなたの気分がよくなるだけでも充分です。
気分がいい人のところへは、また気分のいいことがやってきますから。
自己嫌悪しても、また気分がいい状態に戻れば大丈夫!
気持ちの良いことをすると、脳内でセロトニンが分泌されてネガティブな感情が抑えられます。他にはガムを噛むのも効果的。スポーツ選手もよくやっていますね。
自己嫌悪の効能
自己嫌悪している時は苦しくて、早くこの状態から抜け出したいと思いますよね。
でも、自己嫌悪自体が全て悪いものではないんです。
自己嫌悪は「もっとこうなりたい」、「もっとできるようになりたい」という自分に対しての期待や向上心のあらわれでもあるので、
ステップ2で自分の気持ちを受け入れていくと、自分が望んでいることが、はっきりわかるようになります。
自分がどんな状態が心地よいか、どうなりたいか聞いてみてください。
「じゃあ、どうしたい?どうなりたい?」
落ち着いた状態、特に気分がいい状態になれば、これがプラスに働きやすく、自分が望むようになるにはどうしたらいいか、自然と気づきが起こりやすくなります。
プラスに働けば、よりよい自分やさらなる成功・成長につながります。
心理カウンセラーのアドバイス
自分の気持ち、感情を客観的に感じながら受け入れる方法のひとつにイメージを使うやり方があります。とっても簡単なのでご紹介しますね。
まず、ゆったりと体の力をぬいて目を閉じます。そしてイメージの中で椅子を一つ用意して、そこに自分が座っている様子を思い浮かべます。
どんな表情をしているか、どんな感情があるか観察しながら、声をかけたり質問をしたりすると、イメージの中の自分の気持ちがとてもよくわかったり、時には質問に答えてくれることもあります。
また、潜在意識はイメージの世界なので、自分への言葉がけもこの方法を使うことでより深く入っていきます。これは私たちの脳が現実と想像を処理する場所がとても近いことに関係があるようです。
とても不思議ですが、自己理解と自己受容、癒しにも効果的です。ぜひ試してみてくださいね。
【自己嫌悪診断】心理カウンセラー監修テストで今すぐセルフチェック!
監修|心理カウンセラー・産業カウンセラー 杉本まき
2011年より心理カウンセラーとして、主に自己肯定感の低さから生きづらさを感じるアダルトチルドレン気質を改善することで、人間関係(恋人、夫婦、職場)の修復に取り組む。認知療法にイメージ療法、脳科学を組み合わせ、心の傷を癒しながら実践で自己改善を目指す。対応件数4,000件以上。
ホームページ:http://www.cr-heartstrings.com/
こんなことが気になったら、ぜひ参考にしてくださいね。
- 相談した方がいい目安は?
- どんな相談方法があるの?
- 相談する時の心構え・準備は?