どんな人が自己嫌悪しやすいんでしょう?
また、自己嫌悪になりにくい人の特徴もわかれば、自然と「こうしていけばいいんだ!」という対処法も見えてくるはずです。
この記事では、
自己嫌悪に「なりやすい人」の特徴 TOP10
自己嫌悪に「なりにくい人」の特徴 TOP10
それぞれの解説とアドバイス
をお伝えします。
執筆|心理カウンセラー・産業カウンセラー 杉本まき
自己嫌悪になりやすい人の特徴
1位:なんでも悪いほうに考えてしまう
メールの返事が遅い、電話がつながらないだけで「自分は嫌われてしまったのではないか」と考えてしまう。
デートが延期になっただけで「浮気ではないか」と疑ってしまう。
マイナス思考が強く、相手を信じることができないので、自分も相手も疲れてしまいます。
いろんな可能性がある中から、なぜいつも最悪のことを選択してしまうのでしょう?今までそのとおりになったことはあるか考えてみたり、今までの良かったことを思い出してみましょう。
2位:落ち込むとなかなか立ち直れない
小さなことでもいつまでもくよくよと悩んでなかなか立ち直れず、必要以上に自分を責めてしまいます。
考えても答えのでないことを繰り返し考えて、ぐるぐると思考の渦に巻き込まれて抜け出せなくなります。
そういう時は「考えない、考えない」と繰り返し言い聞かせ、考えていることに気づいたらまた言い聞かせる。または音楽を聴く、ドラマを見るなどして他のことに集中してみましょう。
3位:完璧主義
他のことは全部できているのに、ちょっとしたミスや失敗が許せず落ち込んでしまう。
自意識過剰になりやすく、100か0か、白か黒かという極端な思考で自分自身を苦しめます。
世の中に失敗しない人はいません。自分を責めるよりも、同じミスを繰り返さないように努力工夫することのほうが大切!と考えましょう。
4位:すべて自分のせいだと考える
何を聞いても自分のことを言われているように感じてしまう。
また、相手に問題があっても「私が気づけばよかった、気がつかなかった私が悪い」などとすべて自分のせいだと考え、自分を追い込んでしまいます。
責任感が強すぎるとも言えます。
一歩引いて客観的な視点から自分の責任は何パーセント?と考えてみましょう。
5位:劣等感が強い
自分の良いところは無視、悪いところばかりに目を向けてしまう。
また相手の良いところは過大評価、自分の良いところは過小評価。人の得意なことと自分の不得意なことを比べては落ち込んでしまう。
こうした見方を続けていると、自ら劣等感を育ててしまいます。
自分の良いところを10個あげてみましょう。そんなにないと思うあなたは、他人と比べて良いところを探すのではなく「よく寝る!」とか「健康だ!」など、純粋に自分の良いところに目を向けてみましょう。
6位:自分を犠牲にしても他に尽くす
「よく思われたい、期待に応えたい」と自分を犠牲にしても相手に尽くそうとします。
自己肯定感が低く自信がないので、いつも他者から認められることで安心しようとしてしまうのです。
そんな自分が嫌になるのに、やめられません。
そして無意識に見返りを求め、認めてもらえないと愛情が憎悪に変わってしまうこともあります。
自分の大切なものを失うことになっていないか、give give giveになっていないか一度考えてみましょう。
7位:人から良く思われたい
「いい人だと思われたい、嫌われたくない」という思いから不当な扱いを受けても平気なふりをしてしまい、NOと言えずに我慢する。
そして、そんな自分が嫌になってしまいます。あまりに我慢しすぎると自分が何をしたいのかわからなくなってしまうことも。
すべての人から好かれるのは無理なのだと、いい意味であきらめも大切です。不当な扱いを受けた時にはユーモアで切り返せるように工夫していくと良いですね。
8位:自分に自信が持てない
「自分なんか相手にされるわけがない、自分なんか役にたつわけがない」という思い込みと、
「否定されて傷つくのが怖い」という思いから、自分の意見や考えを周りに伝えることができません。
否定されても意見がちがうだけ、あなた自身が否定されたわけではないので、落ち込む必要はないのです。
9位:悪くもないのにすぐ謝る
自信のなさから、どう見ても自分のせいではないのについ謝ってしまう。
自分が謝ることでその場を収めよう、または「その場から逃げたい」という無意識の働きもあるかもしれません。
でもそういうことを続けていると、この人には何をしてもいい人だと軽く見られることにもつながってしまいます。
謝るのが癖になっている場合もあるかもしれません。本当に自分が悪いのか、謝る必要があるのか考えてみましょう。
10位:素直になれない
自分の理想や目標にむけて、常に向上心を持って頑張る”頑張り屋さん”。周りから信頼され頼りにされることが多いでしょう。
しかしこのような人は、自身のプライドから「できない自分が許せない」、または「人に負けてはいけない」という思いから、自分の弱みを素直に見せられません。
自分の思い通りにいかなかった時には人一倍自分を責めてしまうでしょう。
そんな時は、「はぁ、やんなっちゃうなぁ」とか、ちらっと弱音を吐いてみましょう。そうすることで周りもあなたに親しみがわいて、手を差し伸べやすくなるかも。
自己嫌悪になりにくい人の特徴
1位:精神的に自立している
自分に自信がないと依存心が強くなり、なんでも人に頼って周りの意見に流されてしまいます。
でも精神的に自立している人は、自分で考えて自分で決断していくので、たとえうまくいかなくても人のせいにしません。
自己嫌悪になりにくい人は自分で考えているので、失敗を糧に修正して立ち直っていけるのです。
いろんな人からのアドバイスは受けても、最終的には自分で決める。精神的に自立するにはそれがとても大切です。
2位:客観的な視点から考えられる
人は何か嫌なことがあると、どうしても主観の中に落ち込んでマイナス思考が強くなり、負のスパイラルに巻き込まれがちです。
自己嫌悪になりにくい人は、そんな時でも一歩引いて客観的な視点から自分を見ることができ、冷静な状況判断でより適切な行動をすることができます。
「これが友達のことだったら、私はどうアドバイスしてあげるかな」などと考えてみると、客観的な視点に立ちやすくなるでしょう。
3位:気持ちの切り替えが早い
何か嫌なことがあった時、その事にとらわれ過ぎることなく、気持ちを切り替えることができる。
自己嫌悪になりにくい人は、もう次の瞬間からその出来事を過去のこととしてとらえ、「今、ここ=現在」に集中していくことができます。
例えばスポーツ選手が競技中に失敗したとしても、すぐに切り替えて挽回できる人が良い成績を残せますよね。
4位:自分と違う考えを受け入れられる
自分の考えと違うことを言われると、自分に自信が持てない人は自分のことを全否定されたと感じて、その人と距離をとることが多いようです。
でも、自己嫌悪になりにくい人は「この人と私は考え(意見)が違うだけ」と、相手の考えや行動を尊重することができます。
人の意見と違うなと思ったら、Yes-But法を使って、まず「いいですね/そうですね」と相手の意見を受け入れ、それから「でも私はこう思っています」と自分の意見を言うようにするとお互いに傷つきません。
5位:ホワイトライが上手
私たちは小さい頃から「ウソはいけない」「正直でなくてはいけない」と教えられます。
でも、正直すぎると世の中ではカドが立ちすぎて人間関係がうまくいきませんよね。
自己嫌悪になりにくい人は、相手のことを思ってつく悪意の無いウソ(ホワイトライ)を上手に使います。褒め上手でその場を明るくすることも得意です。
どんなこともポジティブに言い換えることができます。例えば「ケチ」→「お金の大切さを知っている」とか。また、お世辞でも、褒められると人はうれしい気持ちになります。ホワイトライ、お世辞は人生の潤滑油です。
6位:感情のコントロールが上手
人には喜怒哀楽があって当たり前ですから、マイナスの感情が湧くのも当然、悪いことではありません。ただ、わかっていてもコントロールはなかなか難しいものです。
自己嫌悪になりにくい人は、感情を一旦抑える胆力を持っていると言えます。
一旦自分の中で押さえて、相手に伝える場合は受け入れやすい言い方、形にして伝えることができます。
テニスのラリーを続けるには、相手のレベルに合わせて、場所やスピードを調整して返してあげないと続きませんよね。それと同じと考えるとわかりやすいかも。
7位:反省と自責の違いがわかる
人はどんなに気をつけていても失敗することがあります。
そんな時、何がいけなかったのか反省はしても、なんでも自分が悪かった、私はなんてダメなんだろうなどと思いすぎない。
自己嫌悪になりにくい人は、反省と自分を責めることは違うと知っています。
失敗の原因について考えて、同じ失敗をしないようにするにはどうしたらよいか、対策を考えることが大切です。
8位:過去にこだわらない
過去にあった嫌なこと、うらみつらみ…それが深いほど忘れることは難しくなります。
でもそこにとらわれすぎると前に進めません。
自己嫌悪になりにくい人は、忘れることはできなくても脇に置いておくことはできる、またはそれを抱えながらでも前に進むことはできると知っています。
心の傷はそう簡単には忘れられませんよね。でも、時間という味方がいます。また何かそこから学ぶことがあると考えてみることもお勧めです。
9位:素直になれる
自己嫌悪になりにくい人は、ありのままの自分を受け入れることができるので、必要以上に勝ち負けにこだわったり、自分を大きく見せようとしません。
自分の良いところも悪いところも素直に認めることができます。
また自分の気持ちにも素直でいられるので、意地をはることも少ないのです。
恋愛がうまくいく人は素直になれる人が多いですね。意地を張らず自分の気持ちに素直になること…難しいけどとても大切です。
10位:自分と他人の感情を区別できる
共感力が高くてやさしい人は、人の気持ちを自分のことのように感じて思いやることができますが、それが強過ぎるとつらくなります。
他人の失敗でも自分事のように感じたり、気づいてあげられなかったことに罪悪感を感じたりします。
自己嫌悪になりにくい人は、その感情は自分の感情なのか、自分が罪悪感を感じなければならないことなのか、きちんと区別することができます。
マイナスの感情が湧いてきたら、自分のことなのか、それとも誰かの感情を受けていないか、立ち止まって考えてみましょう。
最後に:日本人の特徴は…
いろいろな調査で、日本の自己評価の低さは世界でもトップレベルだとわかってきました。
足りないところばかり指摘されて褒められることが少ないこと、また完璧を求められることで、できないと必要以上に自分を責めてしまいます。
そのうえ正直であらねばならないと思いすぎて、お世辞や上手なウソが言えないために人間関係で苦労する人も多いようです。
できないことよりもできることに目を向けて、ホワイトライやお世辞をうまく使っていけるといいですね!
執筆|心理カウンセラー・産業カウンセラー 杉本まき
2011年より心理カウンセラーとして、主に自己肯定感の低さから生きづらさを感じるアダルトチルドレン気質を改善することで、人間関係(恋人、夫婦、職場)の修復に取り組む。認知療法にイメージ療法、脳科学を組み合わせ、心の傷を癒しながら実践で自己改善を目指す。対応件数4,000件以上。
セラピー&カウンセリングルーム:「はぁとすとりんぐす」設立
こんなことが気になったら、ぜひ参考にしてくださいね。
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